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中国のグーグルトレンドのパクリっぽいサービス「百度指数」が結構おもしろい

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グーグルトレンドというサービスはご存知だろうか。
これはグーグルで一定数が検索されているワードについて、
その検索数の推移や、検索回数の多い都市などを表示するサービスだ。

これの類似サービスが、実は中国製検索エンジンの百度でもあるのである。
「百度指数」といって、なんと本家のグーグルトレンドよりも素晴らしい事に、
検索者の年齢や学歴・職業などまで(なんらかの予想をもとに)表示されてしまう。
(余談ながら、最近はアジアンITライターの山谷剛史さんが
 ツイッターでこのサービスについてよく話題にしている)。


で、実際にいろいろな単語を百度指数に放り込んでみるとすごく面白いのである。
まずはサービスの雰囲気をつかむべく、適当な単語を放り込んだ結果を3件ほど紹介しよう。






――――――――――――――――――――――――

◆「胡錦濤」の百度指数を検索





例えば「胡錦濤」の検索数はこうなる。
ここ一カ月では三月の半ばごろにネット上で最もたくさん注目され、95852ポイント検索されている。
通常時は大体2万ポイントくらいで推移しており、イベントがあると跳ね上がる模様。
で、検索数は北京がダントツに多く、あとは上海・鄭州・広州・深圳と続くらしい。
画像では紹介してないが、検索者の年齢層は20代と30代が多く、男性が78%を占める。

では、もうひとつ見てみよう。



◆「蒼井そら」の百度指数を検索



こちらが中国における「蒼井そら」の検索数で、
三月末に17万5190ポイントの指数を記録しており、平均でも4万ポイント弱で推移。
単純に言って、中国人民の間で蒼井そらは胡錦濤の2倍くらい人気があるということだ。

地方ではやはり北京がダントツで、上海・広州・鄭州・深圳と続く。
検索者の年齢層は20代>10代>30代の順で、なぜか男性は全体の67%しかいない。
中国において蒼井そらは、(少なくとも胡錦濤よりは)意外と女性に人気があるらしい。



◆「魔法少女まどか☆マギカ(魔法少女小圓)」の百度指数を検索



まどマギの検索数w
三月半ばに最大値6359ポイントで、結構変動があるが平均4000ポイントぐらい。
胡錦濤の5分の1、蒼井そらの10分の1だが、それでも意外と多くね?
(ネットとオタアニメの親和性が高いため、
 一般社会における知名度以上に高い数字が出るんだと思われる)

ちなみに地方は、上海>北京>広州>武漢>天津 の順。
年齢層は10代が圧倒的に多く、次いで20代。ただし30代以上はほぼゼロ。
男女比は半々である。




――――――――――――――――――――――――





……いかがだろうか?
この百度指数はいろいろと活用できそうで、
例えば「AKB48」とか「初音ミク(初音未来)」とか
「資生堂」「ソニー(索尼)」とかで調べれば、きっとマーケッター垂涎。

また、最近の中国ではつとに強まりつつあるネットの検索規制が
百度指数にはあんまり及んでいない(というか、管理者の間でまだその発想が生まれてない)らしく、
「薄熙来」とか「劉暁波」とか「ダライラマ」とかの現代中国的にヤバい人名はもちろん、
なんと「法輪功」や「大紀元」を検索窓に放り込んでも結果が出てしまうので、
中国ウォッチャーも垂涎なのである。

とはいえ、さっき調子こいてヤバい単語をばんばん放り込みまくって遊んでいたら、
「平反六四(=天安門事件の名誉回復)」まで入力したところで接続がぶった切られ、
その後はちょっとでも敏感な単語は何も検索できなくなったので、
ご利用は計画的かつ自己責任でやりましょう。

※ちなみに、中国国内から本来は見られない海外ニュースソースである
 「多維新聞」や法輪功のニュースサイトの「大紀元」の地方別・職業別百度指数を見ると、
 薄熙来事件の発生後に重慶からのアクセスがえらい多かったり、政府関連からのアクセスが多かったりと、
 ネットの検索ワードからも中国の国内政争の容易ならぬ動向が垣間見られたりする。



……で、だ。
ここでは、もっとヘンな単語や人名の百度指数を調べてみて、
中国のトホホな側面を観察して遊んでみようと思う。






――――――――――――――――――――――――

◆「自宅警備員(家裡蹲)」の百度指数を検索



平均300ポイントくらいで地味に安定。
地域は上海>北京>重慶>深圳>郴州>阜陽>武漢……という感じ。
湖南省郴州市とか安徽省阜陽市とか、えらい田舎が多いんだがどういうことか。
地方都市がつまらなすぎて家から出たくないのか。
大事なものを守っているのか。



◆「妹萌え(妹控)」の百度指数を検索

平均400ポイントぐらい。
地域は上海>北京>広州>武漢>天津で、男性比率66%。年齢は10〜20代に集中。
むしろ妹萌えを検索した人間の3割強が女子であることに新時代の中国の幕開けを感じる。

  



◆「ヤンデレ(病嬌)」の百度指数を検索

平均400ポイント強で、地域分布も「妹萌え」とほぼ同じ。
ただし10代が多く、男女比は半々。

一連の検索結果からもわかるように、
オタク系語彙はとにかく上海で検索されているようだ。
妹萌えは多いけど、妹はヤンデレ。



◆「抗日」の百度指数を検索

意外なことに平均800ポイントぐらいしか検索されてない。
日本への蔑称である「小日本」も同様の数字。
政治的に現在そういう時期じゃないのもあるのだろうが、
昨今の人民の皆さんは意外に反日とかどうでもよさげな感じである。

ちなみに検索件数が多い順に都市を並べると
北京>広州>深圳>上海>天津>武漢>鄭州>西安>石家荘>蘇州の順。
……栄えある中国反日都市ナンバーワンはめでたく北京に決定。



◆「波多野結衣」の百度指数を検索

波多野結衣とはAV女優の名前だ。
こう言ってはなんだが、そんなに魅力的なAV女優だとは思わないのだが、
なぜか中華圏での知名度が異常に高く、東日本大震災の際には死亡説まで流れた。

……で、そんな波多野嬢の百度指数は
驚きの最大7万8575ポイント、平均値約2万ポイント。
検索者は男性が84%で、大部分が20代。都市別では北京>上海>広州>天津という感じ。

日本の一般社会での知名度は皆無に近いと思われる微妙なAV女優が、中国のネット上では
ほぼ胡錦濤に匹敵する注目度を誇るという激しくカオスなことになっている。

  ※ちなみに他の有名AV女優の百度指数は、吉沢明歩が平均1万、原紗央莉 が平均3000強、
   小澤マリアが平均1000強、穂花が平均900弱、晶エリーが平均800ぐらい。やはり、波多野結衣の異常数値への謎は深まる。

   



◆「柏木由紀」の百度指数を検索

平均1000ポイント強。検索者は男性が67%、20代がメイン。
都市では上海での検索者が、
次点の北京・広州以下を大きく引き離す(逆に言うと上海でしか知名度なくね?)

他のAKB主要メンバーだと、前田が普段は平均3000ポイント(3月26日だけ5万ポイント越え)、
板野が(変動激しいけれど)平均1500、大島が平均1000、篠田・小嶋が平均800、指原が平均500くらい。
「AKB48」での百度指数は、3月26日に3万9千ポイント、平均1万ポイントぐらい。
例によって上海でだけ人気が高い。そして、グループ全体ですら波多野結衣に負けている。


……ところで、わが日本国の偉い人が
税金をバンバン使って日中友好40周年の親善大使にAKBを起用するらしい。

だが、ぶっちゃけ中国においては、AKBの知名度は上海の20代男性限定かもしれないし、
さらには恵比寿マスカッツの主要メンバーの方が、AKBの主要メンバーよりも
中国人の間ではずっと知名度か高いかもしれないのである。


     
◆「イカ娘(烏賊娘)」の百度指数を検索

平均600ポイント。
北京>上海>広州>深圳>天津>南京の順で侵略に成功したじゃなイカ!





◆「加藤嘉一」の百度指数を検索

細かい論評は避けるが、自称「中国で最も有名な日本人」。
百度指数は4月1日ごろに最大で1392ポイント、平均は800ポイントぐらいである。

2012年春時点で、中国で最も有名な日本人の同国ネット上での注目度は
蒼井そら老師の50分の1、波多野結衣の25分の1、まどか☆マギカの5分の1なのだった。

……でもイカ娘には勝ったでゲソ!



◆「ゲイ軍人(軍人同志)」の百度指数を検索

「ゲイの軍人」なんてゆがみねえキーワードを
ホイホイ検索する中国人はそれなりにおり、百度指数は平均500ポイント弱。
検索者の80%がいい男たち。残り20%が女子。

年齢層的には20代と30代が多いが、
10代から50代までまんべんなく検索行為をおこなった者たちの存在が確認されており、
男は度胸、何でも調べてみるものさ、という印象である。

検索がなされた地域は北京がダントツに多く、あとは
保定>上海>重慶>天津>武漢>広州>鄭州>石家荘>ウルムチといった順。

人民解放軍最強との呼び名も高い第38集団軍が駐屯する保定とか、
新疆建設兵団がおわすウルムチとか、
いかにも軍隊っぽい場所で調べられているのが無駄にリアルである。


……ところで余談ながら、
「ハッテン場(同志会所)」で検索したら百度指数が平均900ポイントぐらいあった。
「抗日」よりも「ハッテン場」を検索する中国人の方が多いとかどうなってんだアッー!

 





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……最後に、現在話題の薄熙来。
失脚が報じられた4月11日の百度指数は431万8278ポイント。
瞬間最大風速的にフリーザ様を凌駕するような物凄い数字が出ており、
中国のネットユーザーの間での注目が想像される。






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